残価設定ローン（残クレ）は、車両価格から将来の下取り価格（残価）を差し引いた金額をローンで支払う購入方法です。月々の支払いを抑えて新車に乗ることができます。

通常ローンは車両価格全額が対象ですが、残クレは残価を除いた金額が対象です。そのため月々の支払いは安くなりますが、契約満了時に「買取」「返却」「乗り換え」を選ぶ必要があります。

原則として安定した収入がある方なら利用可能です。ただし、ローン審査があるため、年齢制限（18歳以上）や収入要件を満たす必要があります。

一般的には3年（36回）または5年（60回）が多いです。ディーラーによっては2年や4年のプランもあります。短いほど残価率が高く、月々の支払いを抑えられます。

頭金なしでも契約可能な場合が多いです。ただし、頭金を入れることで月々の支払いをさらに抑えたり、審査に通りやすくなったりするメリットがあります。

残クレの金利は通常3〜6%程度です。ディーラーやキャンペーンによって異なり、特別金利1.9%などの優遇もあります。ただし、金利は残価にもかかるため総支払額に注意が必要です。

年間1万km（月間約830km）が一般的です。3年契約なら3万km、5年契約なら5万kmが上限となります。ディーラーによっては年間1.5万kmのプランもあります。

超過分に対して追加料金が発生します。1kmあたり5〜10円程度が相場です。例えば、1,000km超過で5,000〜10,000円の追加費用となります。

残念ながら、走行距離が少なくても返金はありません。そのため、年間走行距離をある程度正確に見積もることが大切です。

基本的に新車なら可能ですが、一部の特殊車両や限定車は対象外の場合があります。また、中古車の残クレを扱うディーラーもありますが、条件は新車より厳しくなります。

所有権がディーラーにあるため、基本的にカスタマイズは制限されます。純正オプション以外の改造は避け、返却時は原状回復が必要です。

修理して乗り続けることは可能ですが、事故歴があると残価が下がり、返却時に差額を請求される可能性があります。全損の場合は強制的に契約終了となり、残債を一括返済する必要があります。

「乗り換え」「買取」「返却」の3つから選べます。乗り換えは新車で再契約、買取は残価を支払って所有、返却は車を返して契約終了です。

可能です。残価分を新たにローンで支払うことができます。ただし、金利や審査は改めて行われます。

走行距離、外装・内装の状態、修復歴の有無などが査定されます。通常使用の範囲内の小傷は問題ありませんが、大きな傷や凹みは減額対象です。

可能ですが、高額な違約金が発生します。残りの支払い総額と残価の一部を一括で支払う必要があり、実質的に困難です。

月々の支払いは抑えられますが、総支払額は通常ローンより高くなる傾向があります。3〜5年で乗り換える前提なら有利ですが、長期所有なら通常ローンの方がお得です。

自動車税、重量税、自賠責保険は通常通り支払う必要があります。任意保険も必須で、車両保険への加入を強く推奨されます。