僕は30代の会社員で、妻と2歳の子どもと暮らしています。年収は約500万円で、普通のサラリーマンとして安定した収入を得ています。自分の車を持つことは以前からの夢で、家族との移動や子どもの送り迎えに便利だと考え、思い切って購入することに決めました。しかし、その際に利用した「残価設定型クレジット(残クレ)」で苦しい思いをすることになりました。今回は、その体験について詳しくお話しします。
残クレで車を買った理由と月々の支払い額
車を購入するにあたって、僕が最初に目をつけたのはトヨタの「ヴォクシー」でした。家族全員で広々と快適に使える車が欲しかったからです。しかし、ヴォクシーはそれなりに高価で、一括購入はもちろん難しく、通常のローンでも毎月の支払いが家計に大きな負担をかけることが予想されました。
そこでディーラーから提案されたのが「残クレ」でした。残クレを利用することで、月々の支払いを3万円程度に抑えられるという説明を受け、これは理想的だと感じました。具体的には、最初の頭金として約50万円を支払い、その後月々のローン返済を3万円で抑える契約内容でした。年収500万円の僕にとって、月々3万円なら無理なく支払えると感じ、すぐに契約を結びました。
実際の支払いと見えなかった負担
しかし、実際に車を手に入れてから、さまざまな費用がかさみ始めました。まず、ガソリン代や保険料、そして定期的なメンテナンス費用はすべて別途必要でした。それに加えて、子どもがまだ小さいため、チャイルドシートの購入やその取り付けも必要で、これが意外に高くつきました。結果的に、車の維持費全体で月々の支払いは6万円を超えることが多く、家計を圧迫するようになってしまったのです。
さらに、残クレの契約には「ボーナス払い」も含まれていました。毎年夏と冬に10万円ずつのボーナス払いが必要で、これが想像以上に大きな負担でした。特に、ボーナスが思ったほど出なかった年には、その支払いに苦労し、生活費を削るような形になってしまいました。
走行距離制限とカスタマイズの縛り
残クレで車を購入したことによる制約はそれだけではありませんでした。残クレには走行距離の制限があり、僕の契約では年間10,000km以内に設定されていました。最初は「そんなに走らないだろう」と思っていたのですが、子どものお出かけや家族旅行などを考えると、あっという間に距離が増えてしまいました。結果として、走行距離を気にしながら運転することが多くなり、家族旅行を我慢することもありました。
また、残クレでは車両の価値を保つため、カスタマイズにも制限がかかります。車内をもっと快適にするためにアクセサリーを取り付けたかったのですが、返却時に査定に響く可能性があるということで諦めました。自分の車なのに自由に手を加えられないことは、思った以上にストレスになりました。
残価精算の厳しさ - 想定外の出費に悩まされる
契約期間が満了する直前、再び大きな問題に直面しました。それが「残価の精算」です。残クレでは、契約満了時に車を返却するか、残価を支払って自分のものにするかを選ぶ必要があります。僕の場合、最終的にヴォクシーを手元に置きたいと考えていたのですが、その時の残価が約150万円でした。
一括で残価を支払うことは厳しく、新たにローンを組むしか選択肢がありませんでした。しかし、そのローンの金利は初回の残クレよりも高く設定されており、月々の支払いも増えることに…。結局、月々の支払いが約5万円に増加し、家計はさらに厳しくなりました。ローンの支払いが続く中で、他の生活費を削らなければならない状況になり、車を持つということがこんなに大変だとは思いませんでした。
残クレで学んだこと - 見えない負担を理解する大切さ
この経験から学んだことは、残クレのように「月々の支払いを抑えられる」ことを強調されるプランには、必ずしも表面に見えないリスクがあるということです。月々の支払いが少なく抑えられているように見えても、実際にはボーナス払いがあったり、走行距離やカスタマイズの制限があったりして、結果的には大きな負担がのしかかることがあります。
特に、車を自由に使いたいという思いがある人にとっては、走行距離制限やカスタマイズの制約は大きなストレスになるでしょう。僕自身、自由に車を使えず、家族旅行を我慢したり、車に手を加えられなかったりすることで、車を所有する楽しさが半減してしまいました。
これからの車選びに向けて
現在、僕は何とか残価の支払いを続けていますが、正直なところ、残クレは僕にとって最良の選択肢ではなかったと感じています。次に車を買うときには、もっと慎重に支払いの総額や制約について検討し、カーリースや通常のローンなど、他の選択肢を考えたいと思っています。
特にカーリースなら、毎月の支払いに維持費や税金も含まれており、急な出費に悩まされることが少ないという点で魅力を感じています。また、契約満了後に車を手放すだけで良いというシンプルさも、今回の経験を通して大きなメリットに感じるようになりました。
この体験が、同じように車の購入を検討している方に少しでも参考になればと思います。月々の支払い額の安さだけでなく、全体の費用や将来的な負担も考慮した上で、後悔のない選択をしてほしいです。