私は30代前半の会社員で、年収は約400万円です。小さな頃からの夢だった「日本一周」を叶えるため、軽バンを購入し、週末や休暇を使って少しずつ全国を巡る旅を始めました。そんな私が選んだのが「残価設定型クレジット(残クレ)」で、念願の軽バンを手に入れたのですが、実際には多くの現実と向き合うことになりました。今回はその体験についてお話しします。
日本一周のために選んだ軽バン
私が選んだ車は、ダイハツ「アトレー」です。広い荷室にベッドキットを設置し、旅先でも快適に寝泊まりできるような仕様にできる点が魅力でした。また、軽自動車なので維持費も抑えられるため、長期間の旅行にはうってつけだと感じました。
アトレーの車両価格は約200万円。一括購入するには厳しい金額だったため、ディーラーから勧められた「残クレ」を利用することにしました。月々の支払いを抑えながら夢を叶えるという提案は、とても魅力的に映ったのです。
残クレの契約内容と支払いプラン
アトレーの車両価格は200万円で、私は頭金として30万円を支払い、残りの170万円を残クレで支払うことにしました。契約期間は4年、残価は車両価格の50%に設定されています。実質年率は4.5%で、月々の支払いは25,000円、ボーナス月には60,000円の支払いが加わります。
年収が400万円の私にとって、月々25,000円という支払いは家計に大きな負担をかけることなく維持できるものでしたし、ボーナス月の負担もなんとかやりくりできそうでした。それよりも、日本一周という長年の夢を叶えるために軽バンが手に入ることのほうが重要でした。
軽バンで始まった日本一周の旅
軽バンのアトレーを手に入れてから、日本一周への第一歩を踏み出しました。週末や長期休暇のたびに荷物を詰め込み、全国各地を旅しています。軽バンは取り回しが良く、狭い道やキャンプ場の入り口でもスムーズに入ることができるので、非常に使いやすかったです。
ベッドキットを組み立てて車内泊をしたり、車内に簡単なキッチンを設置して自炊をしたりと、アウトドア感を存分に味わいながらの旅を満喫していました。特に海沿いのキャンプ場や山間部での車中泊は最高で、「これこそが私の求めていた旅だ!」と思えました。
走行距離制限と予想以上の維持費の壁
しかし、残クレには「走行距離の制限」がありました。私の場合、年間の走行距離は12,000kmに設定されており、日本一周を目指している私にとっては、あっという間にこの制限に近づいてしまいました。走行距離を気にしながら旅を続けることは非常にストレスであり、「自由に走り回れる」という軽バンの魅力が制限されてしまったのです。
また、維持費も思った以上に負担になりました。軽自動車なので維持費は比較的安いとはいえ、ガソリン代は旅をする度に大きな出費となり、月々の支払いと合わせると家計を圧迫しました。さらに、長距離移動が続くと定期的なメンテナンスも必要で、メンテナンス費用も想定以上にかさむことに気が付きました。
ボーナス月の支払いの厳しさ
特に負担に感じたのは、ボーナス月の60,000円の支払いです。年収400万円の私にとって、この金額はボーナスの中から捻出しなければならず、想定していたほどボーナスが出なかった年は非常に厳しい思いをしました。そのたびに旅行の回数を減らしたり、他の趣味にかけるお金を削ったりと、楽しみの一部を諦めることが続きました。
契約満了時の選択肢に悩む
残クレの契約満了まであと1年ですが、その後の選択について非常に悩んでいます。残価で車を買い取るには100万円以上の一括払いが必要で、それを準備するのは難しい状況です。一方で、車を返却する選択をすると、せっかくカスタマイズした軽バンとの思い出も手放すことになってしまいます。
また、再ローンを組んで支払いを続けるという選択肢もありますが、結局支払いが長期化し、負担が増えるだけという気持ちが強く、どうするべきか決めかねています。軽バンでの旅は最高の体験でしたが、その裏での支払いの苦しさもまた現実でした。
残クレで学んだことと今後の車選び
今回の経験を通して学んだことは、残クレで月々の支払いを抑えることはできても、その分将来に負担が先送りされていることをしっかり理解しなければならないということです。特に、年間の走行距離制限や、最終的な残価の精算の負担を考えると、自由な旅にはあまり向いていなかったのかもしれません。
次に車を購入する際には、もっと自分のライフスタイルに合った支払い方法を選びたいと考えています。例えば、カーリースであれば、維持費が含まれているため家計の管理がしやすく、走行距離に対する心配も少ないプランを選ぶことができます。また、中古車を一括で購入することも視野に入れ、将来的な負担をできるだけ減らしたいと考えています。
軽バンでの日本一周は最高の体験でしたが、支払い面ではたくさんの課題もありました。これから軽バンや車中泊に興味を持っている方には、残クレのメリットだけでなく、デメリットもしっかり把握した上で、自分にとって最適な選択をしてほしいと感じています。