私は30代前半の会社員で、年収は約450万円です。子どもがまだ小さく、家族での移動を考えて広々とした車が欲しいと思い、憧れの高級ミニバン「トヨタ・ヴェルファイア」を購入することに決めました。価格が高いこともあり、「残価設定型クレジット(残クレ)」で支払うことにしましたが、その結果、思わぬ負担に直面することになりました。この体験について詳しくお話ししたいと思います。
ヴェルファイアを選んだ理由
ヴェルファイアは、以前からの憧れの車でした。広々とした車内、豪華なインテリア、そして存在感のあるデザインが非常に魅力的で、子どもと妻が快適に過ごせる空間を持ちたかったこともあり、思い切って購入を決断しました。
ファミリーカーとしての使い勝手や、家族全員がゆったり座れるシートレイアウト、さらには休日に家族で遠出する楽しみも考えると、ヴェルファイアはまさに理想の車でした。しかし、その価格は新車で700万円以上であり、一括購入するには厳しいものでした。そこでディーラーの営業の方に勧められた「残クレ」を利用して、夢の車を手に入れることにしました。
残クレでの契約内容と月々の支払い
購入したヴェルファイアの車両価格は約750万円でした。頭金として150万円を支払い、残りの600万円を残クレで支払うことにしました。契約期間は5年で、残価は車両価格の40%に設定されていました。実質年率は4.7%で、月々の支払いは55,000円、さらにボーナス月には120,000円の支払いが加わります。
年収が450万円の私にとって、この支払いは家計をやりくりしながらギリギリなんとかなる範囲だと考えていました。特に月々の支払いが55,000円で済むという点に惹かれ、ヴェルファイアを選んだのです。
初めての高級ミニバンに感動した日々
ヴェルファイアに乗り始めた最初の頃は、その広さと快適さに毎日感動していました。妻も子どもも「車内が広くて快適」と喜び、週末にはよく郊外に出かけたり、ドライブに行ったりしていました。特に、後部座席の広さとエンターテイメントシステムは家族から好評で、移動中も子どもたちが退屈することがなく、本当に「家族のための車」という実感がありました。
また、友人たちからも「すごい車に乗っているね!」と褒められることがあり、自分自身でも誇らしい気持ちがありました。残クレで月々の支払いが抑えられているため、これなら無理なく高級車に乗れると思っていました。
支払いが重くのしかかる現実
しかし、時間が経つにつれて、残クレでの支払いが家計に重くのしかかってきました。特にボーナス月の120,000円の支払いは非常に負担が大きく、予定していたボーナスが予想より少なかった年は、生活費を切り詰めて支払いに充てる必要がありました。
また、維持費の高さも大きな負担となりました。高級車であるヴェルファイアは、保険料やガソリン代も高額で、定期的なメンテナンス費用もかかります。そのたびに家計に与える影響を感じ、最初に考えていたよりも支出が増えてしまいました。車にかかる総コストが、想定よりもずっと高くなっていたのです。
さらに、残クレには「走行距離の制限」があり、年間で10,000kmという制限が設けられていました。我が家では週末に家族で遠出することが多く、そのたびに「これで年間の走行距離を超えてしまわないか」と気にしながら運転するのは非常にストレスでした。せっかくの車で自由にドライブできないことが、車を持つことの楽しみを減らしてしまいました。
契約終了後に迫る選択肢
契約期間の5年が終わる頃、私は再び大きな選択を迫られることになります。残価を支払って車を手元に残すか、それとも返却するか、あるいは新しい車に乗り換えるかです。しかし、残価は300万円以上となり、一括で支払うのは厳しい状況です。再度ローンを組むことも考えましたが、さらに負担を増やすことは避けたかったため、どうするべきか悩みが尽きませんでした。
また、5年経過した時点での車の査定額が残価を下回ってしまうと、追加での支払いが発生するリスクもありました。そうしたリスクに対する不安が常に付きまとい、家計の安定を脅かす要因となっていました。
残クレから学んだこと
今回の経験から、残クレで車を購入する際には、月々の支払いが抑えられるというメリットだけに目を向けるのではなく、将来的な負担やトータルコストをしっかりと考慮する必要があると痛感しました。特に、ボーナス支払いを前提とした計画は、収入が安定しない若い世代にはリスクが大きく、思わぬ負担に直面することになります。
また、走行距離の制限やカスタマイズの制限といった残クレ特有の制約も、自由に車を楽しみたい人には不向きだと感じました。車を所有することの楽しさを損なわないためにも、自分のライフスタイルに合った支払い方法を選ぶことが重要です。
今後の車購入に向けて
現在、私は残クレの契約満了に向けて計画を立てていますが、次に車を購入する際にはもっと慎重に考えたいと思っています。カーリースや、中古車の購入といった選択肢も視野に入れ、家計に無理のない形で車を手に入れたいと考えています。
ヴェルファイアに乗るという夢は叶いましたが、それに伴う負担も非常に大きかったです。次はもっと現実的に、家族と自分に合った車を選び、支払いも無理のない形で計画的に進めるつもりです。同じように若い世代で車の購入を検討している方には、残クレのメリットとデメリットをしっかり理解した上で、最適な選択をしてほしいと思います。